地域振興コンサル支援想定事例(普及活動実績からの想定)−1  表 アルストロメリア産地化への普及活動


1973(昭和48)年全国農業改良普及協会主催、第2次ヨーロッパ温室園芸農業視察に参加、ドイツで花きの新品目であるというアルストロメリア栽培を見学。11月の温室でブラスチングを大量に起こしている品種オーキッド(アルストロメリア最初の営利栽培品種と言われる)に頭を抱えている経営者の話を聞く。ブラスチングの原因は高温と日照不足の影響とのこと。
 高緯度地の冷涼なヨーロッパの気候下で高温の影響を受けるという、この著しく低温性の新品目に「高冷地の新しい花き品目として産業化できるのでは」と着目した。
 以降、アルストロメリアに関する資料収集を開始する。昭和50年施設園芸高度化研修で3ヶ月兵庫県にお世話になる。当時の花き部藤野守弘博士には国外文献の収集・訳・方法等に関してもご指導いただき、その後もご支援賜り、以降国外の資料収集も加わった。品目適性から産業化への確信を深める。
 昭和51−2年福花園種苗がオランダスターファレン社のアルストロメリア四季咲系種の国内への導入取扱を開始し栽培希望者を募り始めた。昭和53年諏訪農業改良普及所から上伊那農業改良普及所に赴任し、以降(表)の取り組みを開始した。なお、昭和56年春以降、当時の神奈川県園芸試験場大川清博士にはオランダでの研修等に基ずくご指導を賜った。

次年

53年(1987)

 54年(1979)

55年(1980)

56〜58年(1981〜1983) 

58〜現在(61年)(1983〜1986)





5〜10年後を見通した方向感(産業部門・品目・項目・作型)知識集積、時代要請の把握と位置付け、アルストロメリアの知識集積(1973〜)

○地域の現状把握と実態から見た方向の意志決定

○核農家の選定

○関係技術者とのコミュニーション

○片桐、宮下氏に対する、知識、技術指導(既存技術、海外文献)

○技術者による品目作型設定会議の開催

○農政による振興計画へつなぐ

○伊那農協、箕輪農協管内の新品目志向者の誘導(直接〜農協技術者の指導)

○組織化への根回し(郡段階)

○地域(農協毎)志向者のまとめ

○栽培者、志向者による生産、市場視察の実施(23名)

○研究会の組織化指導

○種苗導入に対する情報援助

○地域技術確立のための調査

○技術指導

○資金指導

○栽培技術指導(郡〜個人段階)

○地域における栽培体系確立のための、新品目開発事業の導入推進、各種試験、調査の実施

○栽培指針の作成

○カブレ対策への働きかけと対策(生改)

○組織育成

○資金指導

○講演会(オランダ国立花き試ホンク氏による)の開催

○アルストロメリア補完品目としてのカーネーション、新テッポウユリ、スターチス等の導入、栽培指導、実証圃の設置、調査

○切り花鮮度保持剤の開発

○経営調査による経営指標の作成誘導

 鮮度保持剤の市販品との比較検討

○新品種に対する情報提供










  花き類の無秩序、多品目の導入

  アルストロメリア在来種の農家の存在(片桐敏美、宮下善人氏 )

○アルストロメリア在来種栽培技術の安定向上

○産地化への期待感

○関係技術者、農家の振興意欲の向上、目標の明確化

○秋、箕輪町農協管内有志による四季咲き系オランダよりの導入

(10a、福花園種苗←ファンスターフェレン

○将来性への確信を得る

○アルストロメリア技術研究会(会長片桐氏)の発足

○視察者が地域リーダーとなり農協単位によるオランダからの秋種苗導入

 伊那農協←タキイ種苗←コルファンダイン

 伊南農協←県経済連←コルファンダイン

○ 箕輪町管内栽培者、総合資金による規模拡大

○組織の移行(研究会→農協花き部会協議会、準専門部会化)

○郡段階(部会)での定期的指導会の開催

○地域小集団(農協部会毎)による定期的指導会の開催、及び部会内部における技術交換、品種展示試験等始まる

○総合資金、近代化資金による規模拡大

○部会によるカブレ対策進行

○ 補完品目の試作導入、定着

○アルストロメリア単価の向上

○経営の安定

○農協部会毎による指導会(不定期〜定期事業化)、問題解決活動

○郡段階における問題解決活動

○鮮度保持剤による夏期作型の拡大

○アルストロメリア主体経営農家の出現

○新品種導入による拡大意欲

栽培規模

2戸   5a

戸     20a

15戸    30a

57年  50戸  430a

60年   65戸   6.8ha

粗生産額3億円

関係機関の対応活動

○技術者による現地技術検討会

○上伊那における花き振興品目及び作型の設定

○上伊那花き生産振興計画の樹立と地区会義の開催(関係五者による)

○農協内部資金による種苗導入援助

○農協部会組織の育成

○経済連による販売対策

○総合資金対策(農協、信連)

○農協部会活動の活発化

○経済連による部会活動

○厚生連保健婦(生改、信大医学部)によるカブレ対策

○資金対策(関係機関)

○農協部会活動(問題解決活動)

○経済連による部会活動(問題解決活動)







○指導者としての役割

○地域の問題把握

解決方策の決定

○リーダー(核農家)の発掘

○リーダーの育成

○既存栽培技術の附与

○波及対象(小集団、地域におけるリーダー)の把握、育成

○振興環境条件の整備

○地域技術体系の確立開始

○組織化

○組織育成(地域リーダーの育成)

○波及、啓蒙、意志決定

○栽培技術の附与

○地域栽培技術の確立化

○規模拡大援助

○地域技術の確立、徹底

○集団活動の助長

○規模拡大援助

○経営、技術体系の確立化

○技術課題の解決

○集団による課題解決活動の助長及び援助





1984〜1985年

アルストロメリア、種苗分類特性調査委員会、委員

1981’ 6  誌上座談会・成長花きとして注目されるアルストロメリア「農耕と園芸」
1984’12  アルストロメリア四季咲き品種の栽培「農耕と園芸」 

1981’ 8  新しい花、アルストロメリアとその作り方「農業技術研究」
1985’ 3 アルストロメリア切り花鮮度保持剤の検策結果について「農業技術普及情報」

1983’ 4  上伊那のアルストロメリア栽培と特徴「信州のそ菜」
1986’ 3  切り花前処理剤、STS+ホルモン剤によるアルストロメリアに対する利用効果
「農耕と園芸」

1983’11  アルストロメリアリグツハイブリットの栽培「農耕と園芸」
1986’ 4  作期拡大を図るアルストロメリアの栽培「農耕と園芸」

大平作成 ( 昭和61年9月起稿 ) 転載・複写禁止                     技術と普及誌 2004.02 Vol・141掲載